今日は、働く世代の上司と部下のコミュニケーションに使えるCBT技法について、お話しましょう。
職場では、自分の考えや希望を相手に伝える機会が多くありますよね。しかし、同じ内容を伝える場合でも、伝え方によって相手が受ける印象は大きく異なります。
アメリカの心理学者であるトマス・ゴードンは、相手に自分の意思を伝えるときのテクニックとして、「アイメッセージ」という手法を提唱しました。
相手に自分の要望を伝えるときの方法には、「あなたは」を主語にして伝える方法(ユーメッセージ)と「私は」を主語にして伝える方法(アイメッセージ)の2つがあります。具体例をお示ししましょう。
ユー(You)メッセージ | アイ(I)メッセージ |
(あなたは)明日までに この仕事を やってください |
明日までにこの仕事を やってもらえると、 (私は)助かる |
そんな言い方を するなんて、 (あなたは)失礼だ |
もう少し柔らかい言い方を してくれると、 (私は)うれしい |
あなたは 優しい人だね |
(私は)あなたは 優しい人だと思うよ |
いかがでしょうか。人間は、ユーメッセージに対して「命令されている」「決めつけられている」と感じやすいと言われています。その逆に、アイメッセージには「押し付けがましくない」「自分の気持ちを尊重されている」という印象があるようです。アイメッセージをうまく活用することで、相手を尊重しつつ、自分の考えや希望を伝えることができそうですね。
同じ内容を伝える場合でも、伝え方一つで円滑なコミュニケーションを図ることができます。ぜひ、参考にしてみてください。
(精神科医T)
※認知行動療法は、認知(考え)と行動の変容を促し、こころの問題を解決する心理療法です。
千葉⼤学で2019年4⽉に⽴ち上げた「簡易(低強度)認知⾏動療法的アプローチによる相談⽀援を⾏うメンタルサポート医療⼈養成プログラム」では、対⼈援助職の⽅々を⽀援しています。
2023年度より千葉⼤学発ベンチャー「株式会社メンサポ」が上記の教育⽀援事業を引き継ぎました。
認知行動療法を学ぶコースにご興味のある方は CBTラーニングとは をご覧ください。
悩みを解決へ導く
認知行動療法を
学んでみませんか?