こんにちは。精神科医のAです。日々の診療で子どもたちから多く
ヒントになる認知や行動をこれから10回のコラムでお伝えしてい
例えば、ある日「友達に嫌われている」と感じている中学生の女の子が診察に来ました。もし自分の子どもや身近な子どもに同じことを言われたら、どうしますか?「気にしすぎだよ」「大丈夫だよ」と励ますかもしれません。それも一つの方法ですが、実はもっと効果的な方法があります。
子どもは大人が思う以上に色々なことを考えています。言葉にするのが苦手だったり、「変に思われるんじゃないか」「怒られるかも」といった不安で口に出せなかったりします。そこで、大人が子どもの考えや感情を整理し、客観視する手助けができると、子どもは前に進みやすくなります。
先ほどの中学生の女の子は、自分を傷つける行為をしていました。不安な気持ちを担任の先生に相談したところ、「何があっても自分を傷つけてはいけない。お母さんが悲しむよ」と言われたそうです。先生は正しいことを言ったつもりですが、その子はそれ以上何も言えなくなり、自分を責めるようになってしまいました。
こうした状況を改善するために、認知行動療法(CBT)が役立ちます。CBTは、状況、考え、感情、行動、身体症状を分けて考え、客観視する方法です。子どもが感じているもやもやを一つ一つ言葉にし、一緒に解きほぐしていきます。
子どもとCBTを効果的に行うためには、信頼関係が不可欠です。次のようなアプローチが有効です。
次回は、この「認知行動療法」を上手に使うための具体的なポイントについて、さらに詳しくお話しします。認知行動療法を通じて、子どもたちがより良い方向に進めるよう、一緒に考えていきましょう。お楽しみに。
※認知行動療法は、認知(考え)と行動の変容を促し、こころの問題を解決する心理療法です。
千葉⼤学で2019年4⽉に⽴ち上げた「簡易(低強度)認知⾏動療法的アプローチによる相談⽀援を⾏うメンタルサポート医療⼈養成プログラム」では、対⼈援助職の⽅々を⽀援しています。
2023年度より千葉⼤学発ベンチャー「株式会社メンサポ」が上記の教育⽀援事業を引き継ぎました。
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