浮かんだ考えに巻き込まれない方法           ~現役精神科医ティー先生のティーブレイク~

私たちには日々いろいろな考えが浮かんできます。この浮かんできた考えは私たちの気持ちに影響を与えます。落ち込んだり不安な気持ちになったりしたとき、この浮かんできた考えに巻き込まれないようにするコツをお伝えします。

別の考え方をためす

『あなたが道を歩いていたら、向こうからたまたま同僚のAさんが歩いてきました。あなたはAさんに挨拶をします。ですがAさんは挨拶を返さず、そのまま歩いていってしまいました。』

皆さんはこんな時、この場面をどう考えるでしょうか。いくつか、考え方の例をお示ししましょう。

考 え 方 の 例
A.「わざと無視したに違いない。失礼な人だ」
B.「自分のことが嫌いだから無視したのかな」
C.「たまたま挨拶に気が付かなかったのかな」
D.「イヤホンで音楽を聞いていたのかな」

様々な考え方がありますね。それぞれの考え方をした場合、結果はどうなるでしょう?ABの考え方をする人は、その日一日イライラしたり、落ち込んだままかもしれません。CDの考え方をする人は、この出来事をすぐに忘れてしまうかもしれませんね。

極端にいうと「CDの考え方をする人は得」と言えるでしょう。でも自分の考え方を変えるのは、なかなか簡単ではありません。

自分の考えを俯瞰して見つめる

 

そんな時に大事なのは、浮かんできた考えを一歩引いて見つめてみることです。そうすることで、浮かんできた考えに巻き込まれず、客観的に場面を捉えることができます。先程の場面を例に取ると、

浮かんできた考えに巻き込まれている状態(「わざと無視したに違いない。失礼な人だ」)

から、

浮かんできた考えを一歩引いて見つめている状態(「わたし今、Aさんがわざと無視したと思ってイライラしてるな。実際はそうじゃないかもしれないけど、そう思えちゃうんだよね」)

に切り替えてみる、ということです。どうでしょう。一歩引いて考えてみると、気持ちが楽になりませんか?

コツは、「人工衛星から眺めるように、遠くから今の自分を眺めてみる」ことです。ぜひ、試してみてください。

        

※認知行動療法は、認知(考え)と行動の変容を促し、こころの問題を解決する心理療法です。

千葉⼤学で2019年4⽉に⽴ち上げた「簡易(低強度)認知⾏動療法的アプローチによる相談⽀援を⾏うメンタルサポート医療⼈養成プログラム」では、対⼈援助職の⽅々を⽀援しています。

2023年度より千葉⼤学発ベンチャー「株式会社メンサポ」が上記の教育⽀援事業を引き継ぎました。

認知行動療法を学ぶコースにご興味のある方は CBTラーニングとは をご覧ください。

CBTマガジン一覧に戻る

悩みを解決へ導く
認知行動療法を
学んでみませんか?

CBTラーニング申し込み